もうなんのブログだかわからない

このところ、ボランティアで「希望の牧場・ふくしま」の写真展運営などを少し手伝っている。
「希望の牧場」は地元農家と各地から集まったボランティアのグループで、被曝家畜に対する全頭殺処分という国の指示に逆らい、警戒区域内で未だ牛を生かし続けている牧場である。

その牧場の代表、吉沢正巳さんが今、窮地に立たされている。
今年5月末、無許可で警戒区域に立ち入って取材したカメラマン・ジャーナリストらを案内したことで、南相馬署から繰り返し執拗な事情聴取を受けているのである。しかも、南相馬署は吉沢代表を単なる参考人ではなく、被疑者(平たく言うと容疑者)として考えているそうだ。

刑事事件の問題なので、ちょっと法律のお話をしておこう。
そもそも日本国憲法第3章22条にはこのように書かれている。
「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。」
憲法とは言うまでもなく、国民から国家への命令である。本来、どこに住もうが引っ越そうが「何人(なんぴと)も」自由なのであって、国家が国民に対して「お前はここに住め/ここに住むな」と命じることはできない。そうするためには「公共の福祉に反」することが条件である。

では、なぜ原発事故によって多くの人が住処を奪われているのか。
本件の被疑事実(やったと疑われている犯罪の内容)でもある原子力災害対策特別措置法63条1項を見てみよう。
「原子力緊急事態宣言があつた時から原子力緊急事態解除宣言があるまでの間において,人の生命又は身体に対する危険を防止するため特に必要があると認めるときは,市町村長は,警戒区域を設定し,緊急事態応急対策に従事する者以外の者に対して当該区域への立入りを制限し,若しくは禁止し,又は当該区域からの退去を命ずることができる。」※強調は著者
立ち入ると、放射能汚染によって生命・又は身体に危険が及ぶ。それは公共の福祉に反するから入っちゃいけませんよ。というのが条文の趣旨である。

今も放射能汚染が止まない中、私は立ち入り制限自体に異論はない。
しかし、だからといって、誰が何を取材したか?なんてことを取り調べてよい理由にはならない。
取材内容が牛についてであれ好きな芸能人についてであれ、同じ時間・場所にいれば等しく被曝する。取材の中身は「人の生命又は身体に対する危険を防止する」目的に何の関係もないのだ。
これは結局、人名を守る法律をダシに「検閲」を行っているのと同じことではないのか。

(つづく)
 
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2012.11.02 / Top↑
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