もうなんのブログだかわからない

私はシェルターの猫と接するとき、無意識のうちにモードを切り替えていると思う。なにせ病的な猫好きだから、猫はみんな好きだし、長く接していれば愛着も増し「みんな連れて帰りたい!」となってしまう。
でも、もちろん、そんなことは出来ない。
だからシェルターにいる猫たちには、うちの子とは違う感覚で接している。例えるなら、シェルター猫たちは私にとって「就活生(就職活動中の生徒)」だ。
子どもたちは右も左もわからず入学して来て、旅立っていく。私たちボランティアは日々の生活を支え、心身ともに自立する力をつけてやりながら、その子に合った終身雇用の就職先(里親さん)が見つかるよう協力する。無事に就職できたら「頑張れよ! でも、ブラックだったら迎えに行くぞ!」と背中を叩いて送り出す。そんな感じ。

スリゴロとか、若くて将来性のある子猫たちは、ほっといても自分でチャンスをつかめる手間のかからない生徒。就活で言えば即戦力。もちろんかわいいけど、正直、あまり気にならない。

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初めてライチを見たとき、風邪で鼻と目はぐしゅっとしていたけど、若く、変わった毛色で、美しく、スリゴロというパーフェクトな即戦力ぶりに「あ~はいはい、さっさと風邪を治して卒業なさいね」としか思わなかった。

ところが。
1週間たっても2週間たっても、ライチの目はうるうるグショ。お鼻はズビズバァー。
しかも、若いと思っていたのは私の勘違いで、実は1本も歯が残っていない高齢猫。
度重なる通院。嫌がるライチを抱きかかえての投薬が続き、1ヶ月して目はきれいになったけど、鼻は相変わらずズビズバァーン。2ヶ月が経ち、これは一時的な病気じゃなくて慢性鼻炎か?と治療方針を再検討していた矢先。ライチは急激に食欲を失い、嘔吐物に血が混じった。

幸い一時的な胃炎だったけど、その出来事で私の心は決まってしまったのだ。
シェルターに入ったある日。胃炎の影響でまったく食べなくなってしまったライチの口に、せめて薬に必要な分だけでも強制給餌しようとご飯をねじ込む。必死に抵抗して噛み付くライチ。けど、歯が無いから少しも痛くない。
「よしよし、良い子だね。ライチは本当にがんばり屋さんだよ。もうずっとお薬だもんね。あんたは本当にえらいよ、良い子だよ」
声に出していると、本当にそうだよなぁ…としみじみ思えてきて、あとはもう決壊したダムのように愛情が溢れ出れきた。

この子は、牙で獲物を捕ることもできず、うまく呼吸することもできない痩せ衰えた体で
人のいない町を1年半も生き延びてきたんだ。
どんなに生きたくて、どんなに頑張ってきたんだろう。
ようやく保護されても、今度はせまいケージでイヤな薬ばかり。
充分に甘えることもできない療養生活が何ヶ月も続いて
それなのに人間が好きで‥‥
なんていじらしくて偉い猫なんだろう。

他の子のお世話を終え、大網リーダーに引継ぎの電話をするとき、会話の最後で私は言った。
「そんで、あの、ライチがかわい過ぎるので、引っ越して引き取りますね」
リーダーは笑いながら「うん」と言ってくれた。

(つづく)
 
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2012.12.30 / Top↑
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